- 職員の所属・役職は、森のちゃれんがニュース発行当時の情報です。
総合展示・第1テーマの縄文文化の展示では、北海道を代表する土偶や動物形土製品、特殊な土器など(いずれも複製)を展示しています(写真1)。
これらの展示は来館者の皆さまに人気のコーナーとして親しまれ、展示に関する様々な要望や意見もいただいているところです。そのなかには、土偶などの正面だけではなく、背面や側面の文様・デザインを観察したいというものが多くありました。
この要望を受けて、研究プロジェクト「博物館におけるモノ・コト・ヒトの情報集積と公開活用に関する調査研究」の一環として、有効な展示手法の検討を進めてきました。そこで考えたのが、近年盛んに行われるようになってきた3Dモデルを活用した展示でした(写真2・3・4)。
この3Dモデルであれば、映像を回転させることで、普段見ることのできない背面や側面をぐるっと一周観察することができます。
3Dモデルの制作にあたっては、角度をかえた数多くの写真を撮影し、専用ソフトで編集するフォトグラメトリという手法を用いました(写真3)。そして、「(疑似)ホログラムディスプレイ」という装置を用いて、まるで実物が目の前で回転しているような姿を観察できるようにしました(写真2)。
また、これらの土偶などには凹凸による文様が施されていますが、色の情報を取り除いた単色モデルを制作することで、文様を観察しやすくする工夫もしました(写真4)。
今回は、中空土偶(国宝・函館市)、動物形土製品(重要文化財・千歳市)の既存3Dモデルを利用するとともに、新たに4点の土偶や土器などの3Dモデルを制作して、総合展示・第1テーマの土偶(複製)などの展示コーナー(写真1)の近くに展示しました。これにより、実物と3Dモデルを見比べながら観察できるようになりました。
このような3Dモデルを用いた展示は、他の様々な博物館資料、特に立体的な資料の展示に有効だと思います。これからも活用方法を模索していきたいと考えています。