北海道博物館について

北海道博物館の建築

 

 



 

森のちゃれんが50周年

北海道博物館では、北海道開拓記念館(現在の北海道博物館)が開館(1971年)して50年の2021年度を節目として、野幌の森の緑に囲まれた美しいれんが造りの建物(愛称:森のちゃれんが)の魅力を伝えるため、ショートムービーの制作、建物みどころガイド(リーフレット)の制作、フォトコンテストの開催をおこないました。

 

ショートムービー「建物に描かれた想い」

北海道博物館の建物は1970年12月に北海道開拓記念館として建設されました。 この建物自体が長く後世に残るように、当時の北海道知事は、北海道にゆかりの深い建築家である佐藤武夫に設計を依頼しました。 約50年前の設計時に建築家によって込められた「想い」が、かたちとなって現れたこの建物の魅力を、映像を通してたどっていきます。
※期間限定公開(2022年10月2日(日)まで)

 

 

森のちゃれんが50周年フォトコンテスト

「森のちゃれんが」(北海道博物館の愛称)の、建物としての魅力を再発見し建物について学ぶきっかけを作るため、ここで育まれた思い出を通じて北海道博物館とのつながりを深めるため、また、当館の歴史をつたえる知られざる写真を発掘するため、フォトコンテストを開催しました。
北海道開拓記念館としてオープンし、その後北海道博物館として生まれ変わった50年間の“森のちゃれんが”をおさめた写真を募集し、計112点の応募の中から11点の入賞作品が選ばれました。

 

フォトコンテスト 特設ページ

 

たてものみどころガイド

北海道博物館の建物の魅力を、より多くのみなさまに知っていただくため、建物のみどころを紹介するリーフレットを作成しました。
博物館のリーフレットとしては珍しく、展示の紹介をせずに無料で入れるスペースのみ紹介しているので、ぜひガイドを見ながら館内を歩いてみてください。
※現在新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、休憩ラウンジは閉室しています。記念ホールは、フォトコンテスト受賞作品展が開催されている2022年5月8日(日)まで開放されています。あらかじめご了承ください。


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建物概要

竣工:1970 年12 月5 日
設計:佐藤武夫設計事務所
構造:RC 造、一部SRC 造
建築面積:4,018㎡
延床面積:12,947㎡
総合展示室:3,011㎡
特別展示室:665㎡
収蔵庫:2,392㎡

 

館の位置と環境

 北海道博物館は、札幌市の中心部から東方約15㎞の地点にある道立自然公園野幌森林公園の中にあります。この公園は、1968(昭和43)年5月に北海道百年を記念して、自然公園法に基づく自然公園として指定されたものです。札幌市、江別市及び北広島市の3市にまたがる公園の区域は、標高20~90mのなだらかな丘陵地に広がる森林を主とします。面積2,053haのこの公園は、大都市の近郊にある自然性の高い平地林としては世界的にも例が少ない貴重なものです。

 

記念施設地区の配置
国道12号からのアプローチ道路の終点、百年記念塔、北海道博物館が正三角形で結ばれるように配置されています。また、博物館の建物は、周辺の木々で意図的に外からの視線を遮り、建物に近づくと眼前に視界が突如ひろがるよう演出されています(アクシデンタル・トリートメント)。

建物の基本構想と設計

 本館は、1970(昭和45)年11月に北海道開拓記念館として建設された建物です。設計は、この建物自体が永く後世に残る記念建造物となるようにとの町村金吾北海道知事(当時)の要望により、その建設計画を北海道と縁の深い佐藤武夫博士が主宰していた佐藤武夫設計事務所に委託し、野幌産出の赤れんが(約75万本)を豪壮に用いた芸術性の高い建物が完成しました。
 また、開拓記念館の開館当初の博物館としての性格、機能、展示構想などは、当時北海道史編纂を行なっていた犬飼哲夫(開拓記念館初代館長)、高倉新一郎(同第2代館長)が中心となり、展示室の空間計画を飯田勝幸(北海道大学工学部建築工学科助教授(当時))、展示ディスプレイ・デザインを北海道出身のデザイナーである栗谷川健一の「北海道デザイン研究所(当時)」(その後、北海道造形デザイン専門学校となり2015(平成27)年3月閉校)が担当しました。この建築家・学者・展示の三者連携による博物館づくりの思想は、メキシコの国立人類学博物館をモデルにしたものでした。
 なお、1973(昭和48)年に本館は日本建築学会賞を受賞しました。

 

博物館本館と記念塔の配置
博物館の建物の外観は、巨大なレンガ積みの正方形の枡の形をしています。また、花崗岩の石壁に囲まれた南正面のアプローチデッキ、正面玄関ホール、1階ロビー、北出口、記念塔までが一直線に並ぶよう配置されています。この直線を南側に延ばすと、開拓の村の入口(旧札幌停車場)にまでつながります。

見どころ

アプローチデッキ

 正面出入口の前のデッキには、ツルの彫刻「羽ばたき」(制作:山内壮夫)があります。ツルの近くで手を打つと、両壁にこだまして音の戯れに挨拶される仕組みになっています。それはツルの羽ばたきを思わせる音で、これから未来に羽ばたいていく人たちに向けたささやかな贈り物なのかもしれません。

 

 

グランドホール

 博物館の正面玄関を入ってすぐの空間がグランドホールです。

幅約20m、高さ約15mにおよぶレンガに囲まれた大空間。高く連なるシャンデリアや、力強い構造を見せる天上梁、足元のモザイクタイル、タペストリー(壁掛け)など、この空間を魅力的なものにするさまざまな工夫が織り重なっています。

タペストリー(制作:田中忠雄)
ホール正面に掛けられているのは、道章のタペストリーです。7つの光芒をもつ赤い星は、輝かしく躍進する北海道の姿であり、それを囲む白は風雪をあらわしています。落ち着きのあるレンガの色にかこまれても焦点がこの道章に向くように、色調豊かなものに仕上がっています。このタペストリーをくぐってまっすぐ進むと、広い廊下の突きあたりの大きなガラスを透かして、百年記念塔が見えるように設計されました。

モザイクタイル模様(制作:矢橋六郎)
グランドホールの足元には、ライラックをモチーフとした大きなモザイクタイル画があります。2階や階段などからは、ライラックの模様の全体像を見下ろすことができます。

   

記念ホール

 記念ホールは館の象徴的な空間で、各種の式典に使用しています。 床には赤いカーペットが敷かれ、正面には、北海道の風物を織り込んだタペストリー(壁掛)が掛けられ、反対側の壁面には蹄鉄が打ち付けられています。天井の高い荘厳なホールは、見る者を圧倒させます。

 

タペストリー(制作:田中忠雄)
北海道の自然をあらわすものとして、動物ではウマ、ウシ、クマ、ツル、カニ、サケなどが、また植物としてはエゾマツ、ムギ、トウモロコシ、ライラックなどが描かれています。一コマの大きさは90cm角で、全体の大きさは高さが8m、横幅が4.5mあります。重さは200kgもあり、これを天井から吊すのは、当時としては大変な作業だったようです。

蹄鉄
記念ホールの入口を入って左側、正面と向き合った壁の一面には、明治時代以降の北海道の産業や生活に重要な役割を果たしてきた馬の功績をたたえ、その供養をする意味で、装飾的に蹄鉄が壁面に打ちつけられています。この蹄鉄は、実際に北海道の各地で使われたものを集め、大小約1,600個が見事に打ちつけられており、見る者を驚かせます。

 

休憩ラウンジ

 休憩ラウンジは中2階(M2F)にあり、百年記念塔をながめながらくつろぐことができます。ここでは飲食することができ、ご自身がお持ちのお弁当や飲み物を、絶景のロケーションのなかで楽しむことができます。入口付近には自動販売機が設置されています。
※新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、当面の間、休憩ラウンジを閉室させていただきます。  

 

アイアングリル

 建物内のさまざまな場所にある鉄製のグリル型の装飾。ところどころに北海道らしいモチーフがあしらわれたデザインが施されています。 それらのデザインのモチーフは、クマの顔(鼻の部分)、博物館正面の列柱の断面(十字型になっている)、正面の彫刻(鶴がモチーフ)、ライラックの花、鮭 となっています。このグリルを通して、建物の内外を見てみると、ひと味違う景色を見ることができます。
※建物の建設に携わった株式会社佐藤総合計画(旧佐藤武夫設計事務所)の社長である細田雅春氏に教えていただきました。

 


 

クマの顔(鼻の部分)

博物館正面の列柱の断面(十字型になっている)

正面の彫刻(鶴がモチーフ)

ライラックの花

 

屋上

 エレベーターで屋上階(RF)へ上がると、外の景色が見渡せる塔屋の中へ出ます。ふだんは塔屋から外へ出ることはできませんが、暖かくて天候の良い祝休日には、特別に開放するイベントを行うことがあり、屋上から見渡すすばらしい眺めを体感していただいています。札幌のまち、森林公園、百年記念塔を一望できる絶景のロケーションです。空気の澄んだ日には、羊蹄山が見えることもあります。