北海道博物館のめざすもの

北海道博物館は、博物館をとりまく社会情勢の変化、北海道の地域的特性、北海道の中核的博物館としての役割などを総合的に見極め、次のとおり北海道博物館が果たすべき社会的使命を定めました。

Ⅰ 北海道博物館の使命

北海道のすべての人、生き物、大地と海が生み出し、残し託してくれた、北海道ならではの自然・歴史・文化に関わる遺産を、わたしたちの大切な宝ものとして未来へとつなぎ、語り伝えることをとおして、道民が北海道を知り、誇りを確認する場であり続けます。

野幌森林公園という豊かな自然環境のなか、訪れた方々に北海道の自然・歴史・文化を総合的に体感していただくとともに、知的発見、癒やしとくつろぎ、世代を超えた語り合いや出会いを、おもてなしの心で提供し、道民に愛される博物館であり続けます。

北海道の中核的博物館として、道内の博物館などとの連携により、北海道再発見のための知のネットワークを築き上げるとともに、北海道の自然・歴史・文化に関する身近な相談窓口として、道民の「知りたい」という気持ちに応えます。

北海道の自然・歴史・文化に関する総合的な研究機関として、北海道の国際化・文化力の向上や、持続可能な調和社会の構築をめざして、積極的なビジョンの立案・提言に努め、道民の豊かな暮らしづくりと北海道の未来づくりに貢献します。

Ⅱ 基本方針

1 北海道立の総合博物館として、備えるべき基本的な機能を検証し、その充実を図ります

(1)総合博物館として、活動の基本となる収集保存、展示、教育普及、調査研究などの機能を高め、北海道ならではの自然・歴史・文化に関わる遺産を最大限に活かし、質の高い活動を展開する博物館づくりを推進します。

(2)道民が、充実した博物館資源を活かして、自らのアイデンティティを確かめ、過去に学び未来を展望することができるとともに、さまざまな情報や人材などが連携するネットワークを活かして、特色ある地域文化の創造や地域活性化の拠点とすることができる博物館づくりを推進します。

2 道民と共に歩み、愛される博物館として、豊かな時間と空間を提供します

(1)さまざまな人びとが繰り返し訪れ、親しまれる「わかりやすく、おもしろく、ためになる」博物館をめざし、利用者の視点に立った、創意工夫に満ちた博物館づくりを推進します。

(2)博物館のさまざまな活動に、道民が利用者としてだけではなく、協働者、ときには発信者として多面的に参画する機会を創出することによって、博物館活動をより豊かにし、道民と連携、協働する博物館づくりを推進します。

3 北海道の中核的博物館として、地域の活性化に貢献します

(1)北海道の中核的博物館として、地域の博物館等とのネットワークを強固なものとし、共同研究、事業連携、情報共有、資料の相互活用、人材育成等を積極的に推進することにより、地域の活性化に貢献します。

(2)博物館ネットワークを活かし、情報の発信力を高めるとともに、レファレンス機能を強化し、道民の知的興味に応える博物館づくりを推進します。

4 専門的・総合的な研究を行う博物館として、北海道の未来に貢献します

(1)北海道とそれを取り巻く地域の自然・歴史・文化を学際的に調査研究する総合博物館として、その研究成果を活かして北海道の豊かな未来の実現に貢献します。

(2)アイヌの歴史や有形・無形の文化に関する専門的な研究組織を有する世界で唯一の総合博物館として、その研究成果を活かし、普及に努め、アイヌ文化の振興に寄与するとともに、多文化共生社会の実現に貢献します。

Ⅲ 中期目標・計画の策定及び点検・評価の実施

北海道博物館が社会的使命を果たすため、基本方針を踏まえ、資料の収集保存、展示、教育普及、調査研究などの博物館活動の実施に関する中期的な目標・計画を別に策定し、これを公表するとともに、本方針及び中期目標・計画に基づいた運営がなされることを確保し、その事業の水準の向上を図るため、その運営状況について、点検及び評価を行います。

北海道立総合博物館協議会

北海道では、北海道立総合博物館条例に基づき、北海道立総合博物館の事業を円滑かつ適正に行うため、知事の附属機関として、「北海道立総合博物館協議会」及び「アイヌ民族文化研究センター専門部会」を設置しています。