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1 総合展示第2テーマ「アイヌ文化の世界」の構成
当館の総合展示は5つの大きなテーマで構成されています。その第2テーマが「アイヌ文化の世界」です。
「アイヌ文化の世界」は4つの中テーマで構成しています。先ず「現在を知る」を置き、次に「伝統を学ぶ」(伝統的な衣食住などの生活文化や信仰・儀礼)、「ことばを聴く」(アイヌ語とアイヌ語で語られた文芸や芸能)、「歩みをたどる」(近現代の歴史)という組み立てにしています。先ず〈現在〉を考え、その上で伝統的な生活文化や伝承されてきた(あるいは、伝承されてしかるべきだった)文化を紹介し、その上で歴史をたどる、という順序を考えました。
2 現在を知るための「家族の物語」
「現在を知る」の最初のパネルの文章は、次のとおりです。
「現在のアイヌ民族の人口は数万人ともそれ以上ともいわれています。多くは北海道に住んでいますが、就職や進学、結婚などをきっかけに、東京や大阪など各地にくらしの場を移した人たちもたくさんいます。北海道でも、ここ札幌市をふくむ各地にくらしています。現代では、アイヌの人たちだけが住む村のようなものがあるわけではありません。現在のアイヌ民族は、日本のほかの人びとと同じ地域のなかで、ともにくらしているのです。」
解説として書けば、おおよそはこの文章のようになるのだとは思います。しかしこの文章だけでは、「日本のほかの人びとと同じ」というところだけが印象づけられるかもしれない。けれども〈現在〉を知るためには、そこまでの歴史、特に明治以後の厳しい歴史を経てきたことの理解が欠かせない、このことを、単なる歴史の話ではなく現在につなげて物語ること、何より、来館いただく方々に、この物語をなるべくたくさん見て/読んでいただきたい──そう考え、検討を重ね作ったのが、「ある家族の物語」です。
3 現在へと続く、ある家族の物語
物語の主人公は、いま札幌に暮らすある家族の、小学生の「ぼく」です。「ぼく」は、あるきっかけから、自分の家族の歴史──江戸時代の終わりごろから現在までつづく家族の歴史を、祖父母や父母から聞いていきます。家族の対話を追いかけていくことで、現在(いま)へと続く物語をたどっていただければと企図したのでした。
物語に登場するのは架空の家族です。しかし時代の背景やできごとは、実際の歴史をもとにしています。制作にあたっては、いったん細かく・詳しい物語を書き込み、そこから展示で取り上げる内容を選び出していきました。展示を作った側として、家族が経験した出来事の背景にあった、当時の施策や制度などはもう少し具体的に伝えるべきだったか、といった反省や、2024年の今であれば、ウエブ上で流通しているアイヌ民族に関する情報のあり方をこの家族がどう感じているか、というテーマは欠かせないな……など、日々感じることもあります。それぞれの時代の、それぞれの人びとが、どんな社会を、どのように生きてきたのか。それらをたどることを通して、北海道の歴史と現在を知り、考える素材になれば幸いです。
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ある家族の物語(登場人物紹介、シナリオ等)(20150127最終版案)