展示

クローズアップ展示は総合展示室に7つある、資料や話題を定期的に入れ替えて展示するコーナーです。新たに収集した資料や、資料の劣化を防ぐために限られた期間しか展示できない貴重な資料も登場します。どうぞお見逃しなく!

ただいまのクローズアップ展示

クローズアップ展示1:屛風を読む—《江差屛風》と《桧山屛風》
展示期間:2018年12月15日(土)~2019年4月12日(金)




《江差屛風》と《桧山屛風》は、2つ(2隻)で1組の屛風です。《江差屛風》には船から陸揚げしたニシンを加工する様子、《桧山屛風》には山で伐採した材木を川で流送する様子が描かれており、18世紀中ごろの江差、桧山の繁栄を物語るものとなっています。 12月15日(土)~2月8日(金)の前半は《江差屛風》、後半の2月9日(土)〜4月12日(金)は《桧山屛風》を展示します。

開拓使のお雇い外国人B.S.ライマンの弟子 山際永吾
展示期間:2018年2月9日(土)~2019年4月12日(金)




開拓使のお雇い外国人として北海道の地質・鉱山調査を行ったB.S.ライマン(1835~1920)。彼は数多くの日本人技術者を育てましたが、その一人に、旧会津藩士の山際永吾(1853~1917)がいます。ライマンの調査に地質測量助手として参加し、後には幾春別炭田(現在の三笠市)を発見するなどの成果を残した人物です。今回は、2017(平成29)年に、永吾の孫にあたる、映画監督の山際永三氏から寄贈いただいた20点ほどの関係資料から、道内で地質測量に関わった時の日記などをご紹介します。

クローズアップ展示3:伝承者が生きた近現代史 四宅ヤエさん
展示期間:2018年12月15日(土)~2019年4月12日(金)




高度経済成長期を迎えて、生活様式や文化などが激変し、それらに関わる文化財を見直す機運が社会的に高まっていました。1954(昭和29)年に文化財保護法が改正され、無形文化財や民俗資料に関する制度が整備されると、道の教育委員会を中心にアイヌ民族の踊りや生活文化などの記録や調査が行われました。アイヌ民族をとりまく社会的な環境に対する主張や伝統文化を見直す動きは以前からありましたが、アイヌ民族にとってこの時代の出来事は現在につながる大きな継起であったと言えます。ここでは当時の様子がわかる資料と一緒に、白糠生れの四宅ヤエさんの資料を紹介します。

クローズアップ展示4:1870~1920年ごろの札幌
展示期間:2018年12月15日(土)~2019年4月12日(金)




ここ札幌にも、昔からアイヌ民族がくらしてきました。明治になり、都市としての開発が進められると、札幌はそのすがたを大きく変えていきますが、北海道の中心都市となった札幌には、アイヌの人々もまた集い、行き交うようになります。アイヌの人々の生活もまた、さまざまなかたちで今に続いてきたのです。今回は、“今の札幌駅から半径1kmぐらい”の範囲に地域をしぼって、明治初めの1870年ごろから、札幌が近代都市へ成長したとされる1920年ごろまでの歴史を紹介します。

クローズアップ展示5:北海道の繊維産業
展示期間:2018年12月15日(土)~2019年4月12日(金)




亜麻は繊維用と種子(亜麻仁油)用があり、茎から繊維をとる品種の亜麻が寒冷な北海道に適していました。また、緬羊からとる羊毛は、寒い冬をのりきるための必需品でした。明治期に開拓使が招いたお雇い外国人のすすめで始まり、民間の努力を経て、全道各地に広まった亜麻と羊毛。其の歴史と道具を紹介します。

クローズアップ展示6:たくぎん(北海道拓殖銀行)
展示期間:2018年12月15日(土)~2019年4月12日(金)




1900(明治33)年4月に営業を開始した「たくぎん」(北海道拓殖銀行)。1998(平成10)年に看板を下ろすまでの約100年の歩みは、明治から平成の時代を通して、北海道の経済や産業、人びとのくらしと関係の深いものでした。ここでは、拓銀本店で使用されていた「行名銘板」と、くらしにとけ込み、彩りを添えてきた「カレンダー」を紹介します。

クローズアップ展示7:空飛ぶ鳥の「願いの骨」
展示期間:2018年12月15日(土)~2019年4月12日(金)




ヒトなど多くの動物では左右一対の「鎖骨」が肩と胸をつないでいます。一方、鳥類ではこれが癒合してV字型の「叉骨」になっており、翼の動きを助けています。欧米ではガチョウやニワトリを食べた後に、叉骨を二人で引っ張りあって折ると、大きな破片を手にした方の願いが叶う、といわれています。そのため、英語で「ウィッシュボーン(願いの骨)」と呼ばれます。空を飛ぶために洗練された不思議なフォルムにご注目ください。

次回予告

クローズアップ展示1

2019年4月13日(土)~6月7日(金)
『蝦夷風俗十二ヶ月屛風』を読む(1)

19世紀中ごろのアイヌ民族の一年間の生活のうつりかわりや、場所請負制のもとで変わりつつあるアイヌ民族の様子を描いた屏風を展示します。 *1〜6月を描いた右隻を展示します。
クローズアップ展示2

2019年4月13日(土)~6月7日(金)
松浦武四郎の蝦夷日誌を読む

北海道150年事業のキーパーソンであった松浦武四郎。151年目の2019年、蝦夷地を6回にわたって踏査した武四郎の紀行文を改めて紹介します。
クローズアップ展示3

2019年4月13日(土)~8月16日(金)
祈りの造形-死者を悼む(2)死者用の靴

アイヌ民族の伝統的なお葬式でも、亡くなった人に着せる様々な装束が用意されます。今回は、そんな装束の中から靴を取りあげて、特徴や地域による違いを紹介します。
クローズアップ展示4

2019年4月13日(土)~8月16日(金)
サハリン(樺太)アイヌの近現代史

「アイヌの文化」「アイヌの歴史」と言うとき、北海道が中心になりがちで、サハリンや千島のことは十分とは言えません。次回はまずサハリンのアイヌ民族をとりあげます。
クローズアップ展示5

2019年4月13日(土)~8月16日(金)
道産子のブラジル移住100周年

2019年は、北海道からブラジルへの移住100周年です。北海道出身の移住者による寄贈資料をもとに、移住当時の苦労や日系人の文化について紹介します。
クローズアップ展示6

2019年4月13日(土)~8月16日(金)
おままごとの世界

子どもも大人もときめく、おままごとの道具たち。かまどからガスコンロへ、木やブリキからプラスチックへと、その形や素材には使われた時代の暮らしぶりが反映されています。ここでは、当館所蔵のおままごとの道具を紹介します。
クローズアップ展示7

2019年4月13日(土)~8月16日(金)
昆虫から見る生物多様性

昆虫を例に生物多様性の3つのレベルを分かりやすく紹介します。