
十六武蔵は一つのコマを別の種類のコマ16個で包囲していくボードゲームです。いつごろ登場したかは明らかでありませんが、江戸時代には、江戸や京都などでさかんにあそばれていたと言われています。
明治時代中ごろの札幌の新春風景を伝える新聞記事には、子どもたちがすごろくやカルタと並んで十六武蔵であそんでいる様子が伝えられていますので(「函館新聞」1887(明治20)年1月20日付)、当時の札幌の子どもたちにとって、おなじみのゲームだったようです。
さまざまな娯楽があふれる現在、ほとんど見かけることがなくなった十六武蔵ですが、なつかしいシンプルなボードゲームをぜひ楽しんでみてください。
参考文献:増川宏一著『ものと人間の文化史29 盤上遊戯』(1978年)、下中邦彦編集発行『平凡社大百科辞典』 (1985年)
2020年4月25日公開