⽩亜紀の海⽣爬⾍類の⻭

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研究部⾃然研究グループ 学芸主査

添⽥ 雄二

  • 職員の所属・役職は、森のちゃれんがニュース発行当時の情報です。

私が当館に就職した1997年8月(当時は「北海道開拓記念館」でしたが)、ちょうど第44回特別展「クビナガリュウからステラーカイギュウ-化石にみる世界の海-」が開催されていました。今回紹介する写真の化石は、この特別展では「モササウルスの歯」として展示されていましたが、近年、海生爬虫類化石の研究が専門である佐藤たまき氏(当時は東京学芸大学准教授,現:神奈川大学教授)によって再検討が進められています。

モササウルスという名前からは、恐竜の姿を想像するかもしれませんが、恐竜ではありません。恐竜が生きていた時代(三畳紀・ジュラ紀・白亜紀からなる中生代という時代)の海には、様々な大型の爬虫類が棲んでいました。北海道には白亜紀後期の海で堆積した地層が多く分布しており、そこからアンモナイトとともにモササウルスや首長竜、ウミガメなどの爬虫類の化石が発見されています。

モササウルスは手足が(ひれ)になったトカゲの仲間で、北海道では三笠市からタニファサウルス(エゾミカサリュウ)、むかわ町ではフォスフォロサウルスなどの化石が見つかっています。首長竜には2つのタイプがあり、一つは首がとても長いタイプで、もう一つは首が短いタイプです。北海道では首の長いタイプ(エラスモサウルス類)の化石が多く発見されており、中川町や小平町、むかわ町では実物大の全身復元骨格模型が展示されています。このうち、中川町のものは特に大きく、全長は11mにもなります。一方、首の短いタイプは北海道ではまだ数例しかありません。

この化石が展示された1997年当時は、北海道で発見される海生爬虫類化石についての情報がまだ少なかったため、様々な爬虫類との比較検討が不十分であった可能性があります。この歯の持ち主はどのような生物であったのか。いずれにしましても、今後の研究の成果が期待されます。

画像
海⽣爬⾍類の⻭の化⽯(発⾒地は留萌振興局管内の⼩平町。⽩⾊の数字は収蔵番号)