第18回「アイヌ文化巡回展」を広尾町で開催しました

当館が毎年道内各地で開催している「アイヌ文化巡回展」。

その第18回「アイヌ語地名を歩く~山田秀三の地名研究から~」2024広尾町を、広尾町教育委員会との共催により、今年(2024年)6月12日から26日まで、広尾町児童福祉会館(広尾郡広尾町東2条10丁目1)にて開催いたしました(写真1)。

画像
写真1 巡回展ポスター

展示では、当館が収蔵する、アイヌ語地名研究の第一人者である山田秀三氏(1899~1992)の資料の中から、1970年代に広尾やその周辺で地名調査を行ったときの調査記録のファイルや書き込みのある地形図などをパネルにして紹介しました(写真2)。

画像
写真2 巡回展で紹介した資料の一つ、山田秀三氏による書き込みが入った5万分の1地形図「広尾」(一部をトリミングして掲載しています。)


特に広尾町については、山田秀三氏が広尾町郷土研究会──とりわけその中心的存在だった太田善繁氏(1922?~2013)──と交友があり、山田氏は、同会の活動が北海道文化財保護協会から表彰を受けたことを記念した講演会で講師をつとめるなど、複数回にわたって広尾町を訪れています。
展示では、地名調査に関する資料とともに、山田氏が広尾での講演会で配った資料などもパネルにして紹介しました(写真3)。

画像
写真3 展示会場のようす

約2週間の展示期間のあいだに、299名の方々にご来場いただくことができました。また、会期中には当館職員による関連講座を実施し、山田秀三氏の地名研究や十勝地方のアイヌ語についてお伝えする機会を持つことができました。

末尾になりましたが、広尾町立図書館をはじめ、この巡回展の開催にあたりご支援・ご協力をいただいた皆様に、改めてお礼申し上げます。


【開催記録】

第18回アイヌ文化巡回展「アイヌ語地名を歩く -山田秀三のアイヌ語研究から-」2024 広尾町

<会期>
・2024(令和6)年6月12日(水)~6月26日(水)(6月17、24日休館)
・広尾町児童福祉会館
(広尾郡広尾町東2条10丁目1)

関連行事(記念講演会)

「山田秀三と広尾」

<日時>

  • 6月12日(水)10:00~11:30

    講師:小川正人
    「山田秀三と広尾 ―広尾の地名調査資料や広尾の人びととの関わりにそって―」

  • 6月18日(火)19:00~20:30

    講師:𠮷川佳見
    「沼田武男が遺したアイヌ語十勝方言資料」