当館が所蔵するナウマンゾウ全身骨格化石は、今年で発見50周年を迎えます。
発見地の幕別町を中心に開催される各種記念事業に、当館も協力しています。
趣旨説明
1969(昭和44)年7月26日道路工事現場で作業をしていた方のツルハシにカチンとあたったわらじのような石の塊、そこで測量作業をしていた少年が「これは象の歯だ」と断言した一言が切っ掛けとなり、翌1970(昭和45)年6月に本体発掘調査が行われ日本で初めてナウマン象一頭分の化石骨発掘につながった。また、世界においてもナウマン象の復元骨格が一体も無かったことから「世紀の発掘」とも言われた。
この発見により当時の忠類村はナウマン象の故郷として全国的にも有名となりナウマン象にちなんだ商品や団体、グループの名称に「ナウマン」を使用するなど住民自らの手で地域の魅力を発信していた。
この貴重な発見と発掘の軌跡を後世に残すため村民の願いであった忠類ナウマン象記念館が1988(昭和63)年8月にオープンし地域の文化と観光振興には無くてはならない存在となっている。
その間においても学術的な研究は継続されており、ナウマン象の生存していた年代や年齢の新たな判明、2007(平成19年)年には忠類ナウマン象化石骨発見40周年事業で行ったナウマン象発掘跡地での発掘調査において足跡化石など貴重な発見も報告され、2008年には、1970(昭和45年)年に発掘された臼歯の中に別のマンモス象の臼歯が1点含まれていることが判明した。現在、ナウマン象とマンモス象の両方が発見されているのは、日本では、忠類と北広島市だけである。
このように世紀の発掘と言われた忠類ナウマン象の化石骨が発見されて50年となることから、当時を顧み、忠類ナウマン象の学術的価値と歴史を再認識しさらなる文化と地域振興を目的として実施する。
(開催要項より)
特別展「忠類で発見された化石たち ~忠類ナウマン象化石の里帰り」
開催概要
会場 | 忠類ナウマン象記念館 (089-1701 中川郡幕別町忠類白銀町 383-1) |
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会期 | 2019年10月5日(土)~11月4日(月・祝) |
時間 | 9:00〜17:00 |
入館料 | 一般300円 小・中学生200円 |
主催 | 幕別町、幕別町教育委員会 |
共催 | 北海道博物館 |
記念講演(2回開催)
第1回
日時 | 2019年10月27日(日) 10:00〜 |
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会場 | 忠類コミュニティセンター (089-1707 中川郡幕別町忠類錦町 439-1) |
講演1 | 「1969奇跡の夏~生涯の思い出」 木村方一氏(北海道教育大学名誉教授) |
講演2 | 「ゾウが来た道 平成版 ミャンマーからきたゾウ達」 朝倉卓也氏(札幌市円山動物園飼育展示課調整担当係長) |
入場料 | 無料 |
主催 | 幕別町、幕別町教育委員会 |
共催 | 北海道博物館 |
第2回
日時 | 2019年11月2日(土) 18:30〜 |
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会場 | 忠類ナウマン象記念館 (089-1701 中川郡幕別町忠類白銀町 383-1) |
講演 | 「忠類に生き、忠類によみがえったナウマンゾウ」 高橋啓一氏(滋賀県琵琶湖博物館館長) |
入場料 | 無料 |
主催 | 幕別町、幕別町教育委員会 |
共催 | 北海道博物館 |
発掘調査
ナウマンゾウの足跡化石の発掘調査を実施します。(見学可能)開催概要
期間 | 2019年10月29日(火)~11月2日(土) | 場所 | 忠類ナウマン象化石発掘地 |
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忠類ナウマン象化石骨発見50周年記念事業PR展 in 円山動物園
4頭のアジアゾウの公開で大きな話題を呼んでいる札幌市円山動物園ともコラボし、記念事業のPR展と関連イベントを開催します。PR展概要
会場 | 札幌市円山動物園 (064-0959 札幌市中央区宮ヶ丘 3-1) ゾウ舎内(出口前ホールのモニター横) |
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会期 | 2019年8月29日(木)〜 10月27日(日) ※休園日を除く |
時間 | 9:00〜17:00 |
内容 |
(1)忠類ナウマンゾウの臼歯化石 2点(複製:忠類ナウマン象記念館所蔵) (2)忠類ナウマンゾウの牙化石 1本(複製:忠類ナウマン象記念館所蔵) (3)パネル ①50周年記念事業ポスター(拡大版) ②大昔、北海道にも象がいた! —忠類ナウマンゾウ— ③円山動物園とのカボチャプロジェクト! ④講演会「ゾウが来た道 平成版 ミャンマーから来たゾウ達」を開催! ⑤北海道初! ゾウの足跡化石 ⑥忠類小学校児童による寄せ書き目録 |
主催 | 幕別町教育委員会 |
共催 | 北海道博物館 |
協力 | 札幌市円山動物園 |
問合せ先
忠類ナウマン象記念館電話:01558-8-2826