稲わらのかおり

 「こんにちは 今朝も寒かったですね」

冬の訪れを迎えた「はっけん広場」からご挨拶です。

冬といえばわら細工の季節、かつて農閑期には脱穀した後の稲わらで、わらじ、深ぐつ、みのなど身に着けるものから、縄、むしろ、ほうきなど暮らしに使うものまで、一つ一つ手ずからこしらえていた先人にならって…とまではいきませんが、静かな冬のはっけん広場で、よく叩いた稲わらを手に取って少し土臭い、湿った青草のような香りを嗅いでいると不思議と何か作ってみたい気分になってきます。(夏はあまり思わない)

当館で開催してきたさまざまなわら細工の企画も冬期間が中心でした。参加されたお客様との触れあいもたくさんあって、自分よりはるかに年長のお客様から「先生」などと呼ばれ、腰のあたりにむず痒さを感じながら、伝統的な稲わらのしめ縄飾りを指導したことも、冬休み終了間近に「ワラでミニほうきをつくろう!(自由研究用)」に挑む小学生を「だいじょうぶ、必ず間に合う!」と励ましたことも楽しい思い出です。

わら細工と言えば、大きなしめ縄や立派なわらじ作りをイメージする方も多いと思いますが、今年度「はっけん広場」の12月・1月のイベントでは、かわいらしい飾り物作りでわらに親しんでいただくことをテーマにしました。

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12月と1月のイベント作品

これからも寒い季節には多彩なわら細工のイベントが登場する予定です。心落ち着く稲わらのかおりを体験したい方は、ぜひ冬の北海道博物館に足をお運びください。