めざせ学芸員!今年も博物館実習を実施しました

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博物館研究センター 研究職員

鈴木 明世

当館では、学芸員資格取得を目指す学生に対して、毎年8月に博物館での現地実習を行う「博物館実習」を実施しています。今年は、2024年8月20日(火)から30日(金)の期間(26日(月)を除く10日間)で、北海道内外から15名の実習生を受け入れました。

初日は、収蔵庫の見学や、学芸員としての視点で総合展示を見学し、展示の工夫や改善点等のディスカッションを行いました。2~6日目は、当館の5つの研究グループが1日ずつ担当し、それぞれの分野の専門的な資料の整理や行事の企画等を行い、学芸員としての「モノ」や「情報」の扱い方を学びました。また、6日目の午後には、開拓の村へ行き、野外博物館での資料管理や来村者への解説に対して、当館の事例と比較しながら見学しました。7~9日目は、3班に分かれて展示制作実習を行いました。「総合展示の各テーマに関連する展示をつくる」という課題に対して、展示企画から資料選定、パネル制作等を実習生が主体となって行いました。最終日には、当館職員向けの発表会を行い、指導を受けた上で、来館者にもみていただけるように総合展示室に展示を設置しました。その成果は、8月31日(土)から9月23日(月・祝)まで公開し、多くの来館者にご観覧いただきました。

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産業資料の整理の様子
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当館職員向けの展示発表会の様子

当館の博物館実習では初の試みとして、博物館の大切な機能である「収集・保存」「展示」「教育普及」「調査研究」について10日間の実習のなかで考える宿題を初日に出したところ、実習生による日々の日誌からも、それを意識しながら取り組んでいる様子をうかがうことができました。最終日には、4つの機能に対して実務経験をもとにした具体的な考えや、それぞれの機能の関連について思考を巡らせられるようになりました。

実習では、学芸員に限らず社会に出た時に通じる考え方を伝えることも、職員は意識して取り組んでいます。実習生15名のこれからの活躍を期待しています!