おしらせ

本展のねらい

2016.07.20 (水)
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今回の展覧会は、単に「ジオパーク」を博物館で紹介するものではありません。「博物館」というハコと「ジオパーク」という現地が、互いにもつ特徴を活かし、博物館とジオパークとの間を人びとが行き交う導線づくりを行うことで、より深く北海道の自然・歴史・文化の魅力を伝えたいと考えています。

ジオパークは、地質・地形に関わる自然遺産を中心とした一種の自然公園です。そこでは、地域における科学的に価値のある自然・歴史・文化遺産等を保全し、その価値を教育や観光活動に活かします。

一方、博物館は、歴史、芸術、民俗、産業、自然科学等に関する資料を収集・保管し、研究してその価値を展示や教育活動などに活かします。いわば、現地の景観を保存し、そこでその価値を伝えるジオパークに対し、博物館は現地から切り取ってきたモノを保存し、その価値を博物館というハコの中で伝えるという違いがあります。

しかしこのような違いがあるからこそ、ジオパークと博物館とが連携し、互いにもつ特性や欠点を補完することができれば、両者にとってより良い活動が展開できるとも言えます。

そこで今回の展覧会は「旅」をテーマとした、博物館とジオパークとをつなぐ物語性を重視した企画内容を考えました。ぜひ、展示をご覧になり地域の魅力を知っていただいた後は、実際に現地(ジオパーク)へ足を運んで、そこでしかできない体験をしてほしいと思います。さあ、今年の夏は北海道博物館へ行こう! ジオパークへ行こう!

北海道博物館学芸員 栗原憲一(展示チーフ)

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