おしらせ

学芸員向け研修会「ニホンジカの骨学実習」開催のおしらせ

2019.11.27 (水)

当館で開催中の企画テーマ展「エゾシカ」に関連し、エゾシカを含むニホンジカを題材に、学芸員等対象の哺乳類の骨学に関する研修会を開催します。
講師は、北海道大学名誉教授の大泰司紀之氏です。

 

「エゾシカ」展で展示しているエゾシカ全身骨格は、北海道大学出版会刊『骨格標本作製法』の著者でもある骨格標本製作者の八谷昇氏の手によるものであり、ほかに例を見ないほど精密に組み立てられた標本です。
また、生物研究社 刊『ニホンジカの全身骨格』中のペーパークラフトのモデルともなったものです。

 

この全身骨格と、エゾシカおよびニホンジカの他亜種、他の北海道産哺乳類の部分骨などを教材に用いて、部分骨の種や部位の同定ができるようになることを目標に、実地で指導していただきます。

 

 

 

開催要項

 

以下の記述とおおむね同じ内容をまとめたPDFがダウンロードできます。

開催要項(PDF)

開催趣旨

学芸員等を対象とした研修会として、野生哺乳類の骨学に関する実習を開催します。
脊椎動物の骨格の専門家である大泰司紀之氏(北海道大学名誉教授)を講師にお招きし、エゾシカを含むニホンジカを題材に、骨学の講義・実習を実施し、全身の骨格の同定について学び、哺乳類骨格についてのスキルアップを通じて、考古遺跡出土獣骨や化石シカ類の分離骨の同定、および狩猟で捕獲したシカの解体の参考など、道内博物館施設等における各分野の活動の向上に資することを目的とします。

内容

講義により、発展型哺乳類の進化・系統と骨格の概要、および適応による形態の変化に関して学んだ後、エゾシカについて、全身の骨格のスケッチを行い、性・年齢差の比較およびホンシュウジカ、キュウシュウジカとの比較を行います。
さらに、北海道内産の各種中・大型哺乳類との比較も行い、遺跡出土骨や野外で採取した骨について種を同定できるようになることを目標とします。

開催概要

開催日時 2019年12月7日(土)・8日(日) 10:00〜16:00
(2日間参加できる方で定員に達しなかった場合、1日目だけの参加も可とします)
場所 北海道博物館(会議室・企画テーマ展「エゾシカ」会場)
主催 北海道博物館
講師 大泰司紀之氏(北海道大学名誉教授)
実習指導 藤本知泰氏、榊山匠氏(四国・西予ジオパーク)、西川知浪氏(秋田公立美術大学 大学院生)

対象

博物館学芸職員
埋蔵文化財関係職員
中学校・高校の生物教諭
野生動物学関係の大学生・院生
ほか

定員

10人(先着順、かつ、2日間参加者を優先します)

申込方法

特設メールアドレス「nihonjika.hone.2019@gmail.com」まで、電子メールで申込みください
(氏名、所属、年齢・学年、電話番号、メールアドレスをお知らせください)

その他

予備知識がない場合、2日間の講習で目的とするスキルを習得することは困難なため、指定テキスト『ニホンジカの全身骨格』(大泰司・藤本・太子著、生物研究者刊)を事前に読み、 付録ペーパークラフトを組み立てて、予習をしておくことが望ましいとのことです。
なお、該当テキストは、講師および出版社の御配慮で、受講者には事前に割引価格で購入できます。
希望される方はお申し込み時にその旨ご相談ください。(出版社からの直接購入になりますので、連絡先等をお知らせいたします。)

 

 

スケジュール(予定)

 

12月7日(土)
9:50 集合
10:00~10:15 講師・助手・受講生自己紹介
10:15~11:00 発展型哺乳類の進化、骨学総論
11:00~12:00 交連全身骨格標本を用いたシカ骨格総論、各自スケッチに用いる分離骨標本を選定
13:00~16:00 主として体幹の骨スケッチ

 

12月8日(日)
10:00~12:00 主として四肢の骨、特に手・足根骨、指趾骨の前後左右の同定
13:00~15:00 主として頭骨・角・歯、全身骨格の性差・年齢差、亜種間の差
15:00~16:00 各自スケッチをコピーして提出、スケッチの比較・意見交換など

 

     

 

 

問合せ先

 

北海道博物館 社会貢献グループ
電話:011-898-0456
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